「承認・認証・届出」ってどう違う?
- 康正 鈴木
- 10月27日
- 読了時間: 2分
2025年10月27日

医療機器は、製品ごとのリスクレベルに応じて「届出」「認証」「承認」といった異なる手続きが求められます。
これらの違いを理解することは、スムーズな薬事対応と市場投入において非常に重要です。
■届出
最もリスクの低い「一般医療機器」に分類される製品については、「厚生労働大臣への届出」によって市場への販売(上市)が可能です。
実際の手続きは、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)へ届出書を提出することになります。
■認証
「管理医療機器」のうち、認証基準が定められている製品は、厚生労働大臣が登録した「登録認証機関」による認証を受けることで、上市が可能です。
また、指定高度管理医療機器(クラスIII)も認証の対象となります。
なお、登録認証機関は現時点で10社存在しますが、登録の廃止や変更が行われることもあるため、申請時には最新の情報を確認する必要があります。
また、以下のような製品については認証の対象外となり、PMDAによる承認審査が必要です。
• 認証基準が定められていない管理医療機器/指定高度管理医療機器
• 認証基準に適合しない管理医療機器/指定高度管理医療機器
■承認
「高度管理医療機器」および一部の管理医療機器については、PMDAによる承認審査を受ける必要があります。
この承認審査は、製品の種類や特徴に応じて以下の5つの区分に分類されます。
1. 新医療機器
既存製品にはない新しい構造、使用方法、効果又は性能を持つ製品。
2. 改良医療機器(臨床あり)
既存製品を改良したもの。臨床試験を伴う。
3. 改良医療機器(承認基準なし・臨床なし)
既存製品を改良したもので、承認基準がなく、臨床試験も不要な製品。
4. 後発医療機器(承認基準なし・臨床なし)
既存製品と同一性を有する構造、使用方法、効果及び性能を持ち、臨床試験が
不要な製品。
5. 後発医療機器(承認基準あり・臨床なし)
承認基準が存在し、臨床試験が不要な製品。
※「改良医療機器」の定義は、新医療機器等又は後発医療機器のいずれにも
該当しない医療機器です。
自社で開発する医療機器がどの区分に該当するかにより、開発にかかる期間やコスト、必要なデータの量や種類が異なります。
したがって、事業計画の初期段階から製品のリスク区分を見極めた上で、承認・認証・届出の戦略を立てておくことが、円滑な製品化において重要といえるでしょう。
引用:
PMDA 「医療機器の認証基準・承認基準・審査ガイドラインについて」


